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2007年7月 5日 (木)

文芸社が言論封じ!

 ネット上で共同出版に対する批判が大きくなっていくなかで、「新風舎商法を考える会」が発足しました。3月中旬のことです。私はこの会に二つの大きな疑問をもちました。ひとつはこの会のホームページに、新風舎商法の契約は、「事業者としての作家と出版社の契約ではなく、消費者とサービス提供者事業者との契約」であると書いてあることです。

 これには驚きました。なぜなら、文芸社や新風舎の契約書は、商業出版の契約書をベースにした出版権設定の契約書だからです。著者の本をつくる制作請負契約なら消費者契約ですが、そうではありません。消費者契約法があてはまらない契約なのです。このような誤った捉え方が広まってしまったら、出版業界は混乱してしまいます。消費生活センターだって困惑するでしょう。

 もうひとつの疑問は、同じようなことをやっている出版社が多数あるのに、この会が新風舎しか対象にしていないということです。この会の世話人はジャーナリストを名乗る方ですが、ジャーナリストという立場の方が特定の会社しか批判の対象にしないというのはとても不思議です。その後、この方が関わっている組織が文芸社から本を出していたことがわかりました。そこで書いたのが以下の記事です。

文芸社・新風舎の盛衰と自費出版(15)共同出版と消費者問題

文芸社・新風舎の盛衰と自費出版(17)「新風舎商法を考える会」への疑問

 そんなわけで、7回の連載予定が、どんどん増えてしまいました。はじめはほんとうにこんなに書くつもりはなかったのです。でも成り行き上、書かざるを得なかったといえるでしょう。やれやれ・・・。

 さて、そのあとのことです。4月30日の朝日新聞に「自費出版 団塊が主役」と題した大きな記事が掲載されたのです。この記事を読んでまたまたびっくりしてしまいました(この問題ではびっくりすることが多すぎます!)。この記事では「トラブルに要注意」としながら、何人かの業界関係者のコメントが掲載されているのですが、そこに文芸社のコメントも紹介されていたのです。これを読んだ人は、文芸社は問題のない出版社であると思ってしまうでしょう。でも本当にそうでしょうか? 朝日新聞は、文芸社のことをきちんと調べて記事を書いているのでしょうか?

 文芸社は渡辺さんを提訴した裁判の中で、同社が行っている協力出版は自費出版とは異なると主張していました。協力出版はあくまでも商業出版をベースにした契約であり、自費出版は制作請負契約なのだと。文芸社はその後、協力出版という名称を流通出版に変えたようですが、契約形態に変わりがないのなら、流通出版は自費出版ではないというのが文芸社の主張のはずです。あれだけ自費出版とは違うと主張していた文芸社が、不思議なことに自費出版と認めているかのようです。なんと矛盾した態度でしょう! あの裁判での主張は何だったのでしょうか? 著者が自費出版(請負契約)だと勘違いすれば、高額な費用のこともあまり問題にされないからでしょうか?

 その後、JANJANに阪上隆庸さんの新風舎の記事が3回にわったって掲載されました。新風舎も文芸社もほんとうに何を考えているのでしょうか。

新風舎の“自費出版”で眠れぬ日々~出版界のモラルは何処へ(1)

新風舎“自費出版”悲しき日々~出版界のモラルは何処へ(2)

新風舎“自費出版”で心身ともに疲れる日々~出版界のモラルは何処へ(3)

 そして、6月に入ってからもっと驚くべきことが起きたのです。

 文芸社から本を出した旅田卓宗さんがご自身のブログで「出版社って言論の府じゃないの?」という記事を書いたのです。それによると、旅田さんのところに出版社の人が訪ねてきて、旅田さんがJANJANに書いた記事を取り下げてほしいと頼んだそうです。その理由は、「あなたの記事を悪用して更に投稿している人がいる」とのこと。だから旅田さんの記事を取り下げるか、旅田さんの記事を悪用している人の投稿記事について「私の投稿記事の意味はそうでは無い」と投稿して欲しい、といったというのです。

 「驚き 桃の木 山椒の木」 とはこのことです! 旅田さんの記事を悪用して更に投稿している人といえば、それはほぼ間違いなく私の書いた「次々商法の落とし穴」のことでしょう。私がこの記事を書いた理由は、前回すでに書いたとおりです。

 旅田さんは、この依頼をその場ではっきりと断りました。すると「それでは貴方の作品を我が社としては絶版にせざるを得なくなります」と、まるで脅迫のようなことをいわれたそうです。旅田さんは、出版社が言論を封じ込めにきたことに怒り、ブログでその事実を告発したのです。

 こんなことがあっていいのでしょうか? 私の記事に意見があるのなら、私の記事のご意見板に意見を書き込めばいいではありませんか! あるいは反論の記事を投稿されればいいことです。言論には言論で対抗すべきなのに、記事の取り下げを依頼するなど、とんでもないことです。それがメディアたる出版社のやることでしょうか!!

 私は記事を書くことで、出版社に警鐘を鳴らしたつもりです。ところがその警鐘はまったく響いていなかったようです。というより、より巧みなやり方へあるいは言論封じへと導いたのかもしれません。こんなに長々と批判記事の連載をするつもりなどありませんでしたが、そうさせたのは出版社自身です。出版社はなによりもそのことをきちんと自覚し反省すべきでしょう。

 さて、新風舎の著者4人が新風舎を提訴したとのことです。でも、新風舎だけが問題ではないのは明白です。これまで共同出版を持ち上げ、広告を掲載し、ほとんど批判してこなかったのはマスコミです。マスコミがこの提訴に気をとられ、業界全体に目をむけずに新風舎のことばかりを報道するのであれば、マスコミの責任は限りなく重いといえるでしょう。新風舎が倒産したら、碧天舎のときよりはるかに多くの被害者(本もでなければお金も戻らない)が出てしまいます。

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