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2007年7月16日 (月)

コソ泥をするアシナガグモ

 先日、クモにとても興味をもっている知人が、アシナガグモをもってきました。アシナガグモというのは、名前のとおり脚が細くて長いのですが、長いのは脚だけではありません。腹部もとても長いクモです。脚を延ばして植物の茎や小枝に止まると、茎や小枝に化けてしまいます。

 水辺を好み、川や池のほとり、水田などでよく見られ、植物の間などに円い網を張ります。オニグモが地面に対して垂直に網を張るのに対し、アシナガグモは水平に近い網を張ります。水平に張られた網は、水面から上がってくる昆虫をうまく捕らえることができるのです。

 知人は、「このクモがどういうわけかオニグモの網にいたんだけど、なんていうクモ?」といって、首を傾げながらアシナガグモをもってきたのです。

 私も、アシナガグモがオニグモの網に侵入するのを見たことがあります。川の近くの生垣にオニグモの網が張られていたのですが、その端にアシナガグモがいるのに気づき、少し観察したことがあります。

 アシナガグモは、オニグモの網の横糸(粘る螺旋状の糸)に多少足をとられながらも平然と動きまわり、網にかかっている小さな昆虫を食べたり、横糸を食べたりしています。オニグモは網の中央には止まっておらず、網の外にいたため、このコソ泥にまったく気づいていません。アシナガグモは数分ほどコソ泥を働いたあと、網の外に出ていきました。

 ふつう、網を張るクモは、自分で張った網で餌を捕らえるのですが、アシナガグモというのはなぜかこのようにオニグモなどの網に侵入し、網にかかって放置されている餌のおこぼれを頂戴することがあります。知人が観察したときは、オニグモが侵入者に気づいて追いかけてきたとのことですが、それはコソ泥を追放するためではなく、餌がかかったと思ったのでしょう。クモは網にかかった虫が糸を振動させることで、餌がかかったことを知るのです。

 オニグモが無視しているような小さな虫をこっそり食べるので、オニグモにとってはさほど害はないのですが、オニグモに気づかれたら食べられてしまう可能性もありますから、何とも大胆な行動です。

 クモにもこんなちゃっかりしたのがいるのですね。自分で網を張って餌をとることもできるのに、手を抜いているようです。アシナガグモの仲間は、時々こんなふうに他人(他クモ?)の網に入り込んで餌をいただいてしまうのですが、他のクモの網に居候して餌をいただき、自分の卵のうまで吊るしているイソウロウグモという小さなクモの仲間もいます。  ちゃっかりものは、人間の世界だけの話ではないのですね。

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