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2007年6月

2007年6月29日 (金)

自分で批判するしかない!

 文芸社が渡辺さんを提訴した裁判で、名誉毀損が認められたからといって、この商法がおかしくないとは私には到底思えません。それなのに、マスメディアが共同出版問題について報道しないなら、ほとんどの人がこの商法の問題点を知ることができないではありませんか。そしてこのような商法が延々と続けられるのでしょう。自分の体験や疑問を黙っているしかないのでしょうか? 自費出版がブームだといわれ、多くの人が共同出版で本を出しているのです。それなのに、黙っていていいのでしょうか?

 個人でホームページなどをつくって、この問題を公表していくことも可能ですが、私は基本的にアナログ人間であり、難しいことは無理そうです。何しろこの当時、インターネットはメールくらいしか利用しておらず、ホームページなどもほとんど見たことがなかったのです。ですから、ネットで情報を収集するなどということも、やっていませんでした。

 2ちゃんねるでは以前からこの問題が話題になっているという話は伝え聞いていましたが、もちろんそれも見ていませんでした。匿名掲示板は信憑性に疑問がありますし、業界関係者が意図的な書き込みをして情報操作することもあるでしょうから、私はまったく興味がないのです。今でも2ちゃんねるは見ていません。

 その後知ったのが、誰もが記者として情報を発信できるインターネット新聞JANJANでした。新聞は広告を垂れ流しにし、ネットでの批判も匿名サイトが中心なら、自分で発言するしかありません。そこで、この問題について2005年の秋からJANJANに連載で投稿したのが以下の記事です。

文芸社「協力出版」で著者に請求する制作費は正当か? 

文芸社商法のさらなる疑惑 

それでもあなたは契約しますか? 

「共同」の意味を履き違えた共同出版 

文芸社だけではない、制作費の水増し疑惑 

共同・協力出版のシステムと闇に包まれた実態 

共同・協力出版問題で問われるメディアの責任

文芸社と闘った人(1) 

文芸社と闘った人(2) 

騙しの出版商法と闘うために 

 この一連の記事で、自分の体験から感じた疑問を明らかにするとともに、文芸社以外の出版社でも同様の問題があることを指摘しました。

 さて、インターネット新聞に記事を投稿し自分の疑問や考えを公表したことで、私はこれ以上自らこの問題に関わるのは終わりにしようと思っていました。ところが、記事を書いた翌年の2006年3月に、碧天舎という共同出版業界第3位の出版社が倒産してしまいました。それによって、本も出なければ支払った制作費ももどってこないという被害者が多数でてしまったのです。

 碧天舎の倒産については、マスメディアでも取り上げられましたが、そこで問題にされたのは碧天舎の経営の問題や、計画倒産ではないかというようなことばかりでした。私がこれまで書いてきた共同出版商法(碧天舎の場合は共創出版)自体が抱える本質的な問題点は、不思議なことにほとんど話題にされなかったのです。私にとっては、そのことこそ疑問でした。そして、この問題がメディアではタブーであるらしいとつくづく感じたのです。

 私も碧天舎の倒産については、以下の記事を書き、相変わらずの共同出版に警鐘を鳴らしました。

碧天舎倒産で揺れる共同出版の行方 

(つづく)

2007年6月28日 (木)

キバナコウリンタンポポの脅威

 コウリンタンポポの花の季節になりました。北海道では路傍や空き地などに群生し、オレンジ色の花を咲かせます。

Dscn2062  このコウリンタンポポに外見がそっくりなのに、黄色の花を咲かせるものがあります。コウリンタンポポと同じ種だと思っている人も多いのですが、こちらはキバナコウリンタンポポという別種。両方ともヨーロッパ原産の帰化植物です。写真のオレンジの花はコウリンタンポポで、黄色の花はキバナコウリンタンポポ。

 この2種は、タンポポと同じように地上部に茎をもたず、地際から葉を出します。ですから、草刈をしても平気です。でも、丈の高い草が侵入してくると、日陰になって負けてしまうようです。そのためか、ときどき草刈をする道路際には、どんどん広がっています。

 北海道では以前はコウリンタンポポの方が普通で、キバナはあまり見られませんでした。ところが、近年ではキバナがどんどん増えているようなのです。黄色いのが目立つようになってきたと思っていたら、みるみるうちにキバナが増加し、私の住んでいるあたりでは今では圧倒的にキバナになってしまいました。庭にも侵入してくるので抜き取るのですが、ちょっと手を抜くと、どんどん広がってしまいます。どうやら根が地下でつながっているようです。

 その拡大のスピードの速いことには驚かされます。コウリンタンポポとキバナコウリンタンポポは似たような形態で、同じようなところに生育するために、競争が生じると思うのですが、どうしてキバナの方がこんなに優占してしまうのか不思議です。キバナの方が優れた繁殖戦略を持っているのでしょうか? コウリンタンポポはキバナと共存することができるのでしょうか?

 両方とも帰化植物ですから、繁茂するのは困ったものなのですが、こんなふうにキバナが侵略してくる様子を目の当たりにすると、帰化植物のたくましさにたじろいでしまいます。

2007年6月27日 (水)

環境への配慮って何?

Ezoakagaeru  先日、大規模林道(緑資源幹線林道)「平取・えりも線」の「様似・えりも区間」の工事現場を視察しました。ここは、今年はまだ工事を開始していないようです。

 そこで見つけたのが、排水溝の構造物に落ちて閉じ込められたエゾアカガエルとエゾサンショウウオ。エゾサンショウウオは北海道のレッドリストに留意種として掲載され、生息地の破壊によって減少している動物です。

 工事中の道路脇にはコンクリートの排水溝がつけられますが、その排水溝からの水を溜める構造物が先に作られているところがありました。その中を覗くと、やせこけたエゾアカガエルが瀕死状態になっています。深くて外に出られないのです。そこで、救出作戦を開始しました。

 水の中にたまった落ち葉をすくい上げていくと、落ち葉とともに出てきたのは、エゾアカガエル18匹、エゾサンショウウオの幼体2匹、エゾサンショウウオの卵塊複数(ただし、卵は死亡している)。

 エゾアカガエルやエゾサンショウウオは、水溜りがあれば産卵します。でも、このように深かったら出られなくなってしまうのです。そして、水が腐れば産卵した卵も死んでしまいます。ですから、このような構造物をつくるときには、小動物が入り込まないように工夫しなければなりません。ところが、工事をする際には、そんなことはまったく考えていなかったようです。

 こんな現場を見ると、「環境への配慮って何?」と、空しい気持ちになってしまいます。もちろん、それ以前に「必要のない道路」だと思うのですが・・・。

2007年6月26日 (火)

深まる文芸社への疑問

 共同出版商法を行っている出版社の広告が全国紙などに掲載され、多くの人が出版のことがよくわからないまま錯誤して契約していると思われるのに、その商法の問題点を示して公然と批判する人はほとんどいなかったようです。このために、多くの人が共同出版の問題点を知らなかったといっても過言ではないでしょう。出版してから何だかおかしいと思った人はいるでしょうけれど、著者には出版社内部の情報がわからないので、たいていの場合はどうにもならないのです。

 しかし、出版業界では以前からこうした商法が疑問視されていたようです。業界関係者はこのような商法に疑問を感じても、同業者ですから立場上なかなか批判できません。しかし、中にはこのような商法に疑問を抱いて行動している方もいたのです。

 東京経済の社長で自費出版も行っている渡辺勝利さんは、自費出版業界のモラルの向上を目的として「文芸社商法の研究」という内部資料を30部程度作成しました。ところが、それが文芸社の手に渡り、事前のコンタクトもなくいきなり提訴されたのです。

 月刊誌「創」に岩本太郎さんが文芸社の記事を書いた直後の2002年7月30日のことです。文芸社は、この資料の中の30箇所の記述が名誉毀損にあたり、それによって社会的評価が著しく損なわれたとして、渡辺さんに1億円の損害賠償を求めたのです。

 文芸社の商法は私自身も体験しましたので、確かに非常におかしなことをやっているとしか思えません。ところが、その出版社の商法を批判する資料、しかも広く配布することを目的としているわけではない30部程度の資料に対し、1億円もの損害賠償です。私には、この提訴は「批判封じ」としか感じられませんでした。企業が個人に1億円もの損害賠償を求めて提訴したら、恐ろしくてだれも文芸社や共同出版の批判などしなくなるでしょう。

 「オリコン烏賀陽(うがや)訴訟」をご存知でしょうか? 元朝日新聞の記者でジャーナリストの烏賀陽弘道さんが、2006年4月号の月刊誌「サイゾー」にコメントした内容が名誉毀損にあたるとして、オリコンが烏賀陽さん個人に5000万円の損害賠償を求めて訴えた事件です。烏賀陽さんはオリコンのこのようなやり方は言論弾圧であるとして反訴し、闘っています。それでもオリコンが求めている賠償額は1億円の半分の5000万円です。

 私は「オリコン烏賀陽訴訟」のことを知ったとき、すぐに文芸社の渡辺さんの提訴が頭に浮かびました。烏賀陽さんもオリコンの提訴を言論弾圧だと主張していますし、多くの方が関心をもってこの裁判を支援しています。このようなタイプの提訴は、多くの人が批判封じが目的だと思うのではないでしょうか?

 さて、渡辺さんの裁判の判決は、文芸社が名誉毀損であると主張した箇所で名誉毀損と認められた部分と認められなかった部分があります。その結果、渡辺さんに300万円を支払えというものでした。ただし、訴訟費用の大部分(20分の19)は文芸社の負担です。

 裁判長は判決の中で、「文芸社商法の研究」が公益を図る目的で作成されたことを認め、さらに「・・・自費出版文化を守りたいという強い気持ちを持つあまり、いわば筆が走って不適切な表現になった部分もあると認められる・・・」としています。

 渡辺さんは控訴をしないことに決め、自らの裁判の記録を「『文芸社商法の研究』名誉毀損事件-裁判で明らかになったこと-」として出版し、読者に判断を求めたのです。

 私は、この資料集を読んで、またまた驚いてしまいました。というのは、文芸社は平成12年10月から平成14年12月までの提携書店数を1527店から1831店の間で推移しているとしているのです。私が契約したのは平成13年ですから、このときは少なくとも1527店の提携書店があったということになります。それなのに、私への説明は500店とのことでした。1527店以上もの提携書店があったのなら、なぜ私にはその三分の一以下の500店などと説明したのでしょうか? 実際より少なく説明するなどというのは不自然であり、まったく理解のできないことです。

 さらに判決文では、文芸社からの証拠書類や証言によって「協力出版においては、取次業者から原告が指定した書店に配本されるシステム(指定配本)をとり、指定配本で流通させている本は、主として、売れ残り分を原告が買い取っている・・・」としています。でも、私へは「特約店制度とは、取り次ぎ店を通さず、文芸社と書店が直接契約し、当社から直に書店へ本を送り置いてもらうというシステムです」と説明したのです。裁判では取り次ぎを通していると主張し、私には取り次ぎを通していないと説明しているのですから、いったいどちらが正しいのでしょうか?

 提携書店数や提携書店への配本について、私への説明が正しいのであれば、裁判では虚偽の証拠書類を提出したのかあるいは嘘の証言をしたのではないかと疑われますし、裁判での証拠書類や証言が正しいのであれば私に嘘をついたといえるでしょう。どちらにしても、私はさらに文芸社を信用できなくなりました。

 「批判封じ」だと感じたこの裁判が、このような判決になるとはちょっと意外でした。私がこれまで書いてきた経緯を読んでいただければお分かりいただけると思いますが、契約体験者としては「騙しの商法」としか思えなかったからです。さらに、裁判によって上記のような疑惑が出てきたのです。でも、名誉毀損の裁判では訴えられた側が、自分の記述が真実であるか、あるいは真実と信じたことを証明しなければなりません。このような商法の場合は、それが非常に難しいといえるのでしょう。

 この裁判の影響があったのかどうかは分かりませんが、その後もマスメディアは共同出版・協力出版商法について批判的な報道をしてきませんでした。なにしろ大手新聞はこうした出版社の大きな広告を掲載していますから。 (つづく)

2007年6月24日 (日)

高嶺の鬼蜘蛛

Matsudatakaneoni  高山植物のことを「高嶺の花」ということがあります。気象条件の厳しい高山帯で、短い夏を謳歌するように可憐な花をつける高山植物は、まさに「高嶺の花」。ただし、これを盗掘して売る人にとっては「高値の花」ですが・・・。

 ところで、クモにも「高嶺の蜘蛛」、要するに高山性のクモがいます。氷河時代は大陸とサハリン、北海道は陸続きになっており、大陸の北部に棲んでいたクモが北海道にも移動してきました。氷河時代が終わり温暖化していくと、海水面が上昇して北海道とサハリンの間には海峡ができ、そのようなクモは高山に取り残されてしまったのです。氷河時代に北から日本に移動してきたものの、高山帯にとりのこされてしまった生物を、「氷河時代の生き残り」なんていいますよね。

 さて、そのような「高嶺の蜘蛛」のひとつにマツダタカネオニグモというクモがいます。北アメリカやユーラシア大陸北部にこのクモの近縁種が生息しています。もとは同じ種だったのでしょう。

 マツダタカネオニグモが確認されているところは大雪山国立公園内の2つの地域だけです。高嶺という名がついていますが、「高山帯」ではなく、もう少し低いところに棲んでいます。高山にもいるかも知れないのですが、現時点では確認はされていません。

 では、どんなところに生息しているかというと、岩塊地なのです。岩塊地の岩と岩の間に円い網を張っています。そして体の色や模様が岩についている地衣類にそっくり! 網を張っていると見つけやすいのですが、岩に止まっていると本当にどこにいるのかわかりません。

 このクモが新種記載されたのは1994年で、分布や生態などを詳しく調べている人はいませんから、実態がよくわかっていません。そして成体が見られる季節は5月下旬から6月頃。岩場で粘っていると、雄のクモが雌の網にやってきて、プロポーズしているところが観察できます。生息地の岩場では、小さいクモ(幼体)は比較的多く見られるですが、成体はそんなにたくさんはいません。それで、環境省のレッドリストにも掲載されています。

 何万年も前に大陸からやってきた小さな生物が、氷河時代が終わってから1万年の間、ごく限られた岩塊地でずっと生きてきたのかと思うと、その生命力の強さに感心させられます。でも、1万年間生きてきた生物でも、ちょっとした環境の変化などでいなくなってしまうこともあり得るのです。自然とはそういう微妙なバランスのうえに成り立っています。そして、今の時代は、人間がつねに「環境の変化」をつくりだしているといえます。だから、「1万年間生き続けてきたのだから、簡単に絶滅などしない」などとは誰もいえないのです。

2007年6月23日 (土)

環境宣言の前にまず実践を!

 21日の北海道新聞によると、高橋はるみ知事は、来年7月の洞爺湖サミットに向けて環境への取り組みを国内外に発信する「北海道環境宣言」(仮称)を制定する方針を示したとのことです。

 環境保全に力を入れるのはもちろん歓迎です。でも、それにはこれまでやってきたことへの反省と実践がなければならないのではないでしょうか。

 高橋知事は、ここ数年、十勝の林道で毎年開催されている国際ラリーを支援してきました。北海道に国際ラリーが誘致された当初、北海道は国際ラリーに補助金を出していたのです。このラリーは絶滅危惧種やナキウサギなどが生息する地域で行われており、これらの絶滅危惧種をはじめとした野生生物に悪影響を与えるとして、自然保護団体が反対をしています。北海道自身が絶滅危惧種に指定している生物が生息しているのに、北海道はそれらの保護についてなんら具体的対策を打ち出していません。

 北海道は大規模林道(緑資源幹線林道)にも巨額の税金を支出しています。支出の根拠も明確に説明できないまま、多額の負担金や受益者負担をしているのです。

 さらに、森林伐採問題やダム問題、ナキウサギの天然記念物指定にも消極的。道内各地の天然林が過剰に伐採され、違法な伐採も指摘されています。環境破壊につながるとして疑問視されているダム計画もあります。

 本当に環境問題に真剣に取り組むのなら、まず現状をきちんと認識し、すぐにでもやるべきことがあるのではないでしょうか? 環境税だけで天然林破壊が守れますか? 二酸化炭素排出削減目標をたてるのなら、多量の排気ガスと爆音をとどろかせて野生動物を脅かす自動車ラリーを支援するなど問題外ではありませんか? 

 直面している環境破壊、自然破壊の問題を棚にあげて「環境宣言」を謳ったところで、空しいだけではありませんか?

2007年6月22日 (金)

うつむくオダマキ

Dscn2020  北海道の山野ではオダマキの花が咲く季節になりました。シックな色合いのオオヤマオダマキ(写真)、青紫と白のコントラストが美しいミヤマオダマキ。オダマキは私の好きな花のひとつです。

 このオダマキの花を見ていつも思うのですが、この花はなぜこんなにうつむいて咲くのでしょうか? 写真を撮ろうと思っても、どうしても横顔になってしまいます。

 オダマキの花弁の後部は袋状に細長く突き出して、先端は内側にくるりと曲がっています。この部分を距(きょ)というのですが、そのユニークな花の形がまた趣があります。

 この距というのは蜜を溜めるところなのです。だから、下を向いて咲くオダマキは、距の先端を曲げることで、蜜をうまく溜めることができるのでしょう。

  庭のオダマキの花をみていると、舌の長いエゾトラマルハナバチがやってきて、もぞもぞと花びらに頭を突っ込み、距の中に長い舌を差し込む様子が観察できます。うつむいて咲いていても、器用なマルハナバチにとって蜜を吸うのはなんでもありません。どうやらオダマキとエゾトラマルハナバチはよきパートナーのようです。

 距をもっている植物はほかにもいろいろあります。スミレ、エゾエンゴサク、ツリフネソウ、イカリソウ・・・

  そして、このような花を訪れる昆虫は、この距の先まで届くような長い舌や口吻を持っている種が多いのです。でも、舌が短い種類のマルハナバチは、距の先に舌が届かないので、外から距に穴をあけて蜜を盗んでしまうことがあります。これを盗蜜というのです。盗蜜されると植物は花粉を運んでもらえなくなります。

でも、庭のオダマキを見る限りでは、盗蜜されている様子はありません。うつむいて咲き、長い距をピンと上に向けていると、ハチがうまく止まれなくて盗蜜されにくいのでしょうか? そうであれば、うつむいて咲くことにもちゃんと意味があるのですね。

2007年6月21日 (木)

消えた捜査資料と巨額の事業

 緑資源機構の談合問題で、東京地検特捜部が証拠資料を紛失したことについては、「緑資源機構ってなんぞや?」http://onigumo.kitaguni.tv/e380435.htmlでも触れました。さて、それについて大変興味ある報道があります。立花 隆氏の「メディア ソシオ―ポリティクス」(nikkei BP net)の「松岡氏らの自殺を結ぶ『点と線』『緑資源機構』に巨額汚職疑惑」という記事です。

 この記事によると、東京地検が紛失したというダンボール箱というのは公正取引委員会から預かった200箱の資料のうちの特A級の1箱だというのです。そしてその中身というのは、九州の中央山地を横断する大規模林道「菊池・人吉線」の工事発注に関わる資料だったとのこと。

 この「菊池・人吉線」というのは総延長104.2キロメートル、総事業費367億円。ここでは、林道だけではなく農地開発が一体となった事業を行っており、熊本県だけで総工費154億円とのこと。この事業については、5月31日付けの北海道新聞でも報道されていました。その「特定中山間保全整備事業」を請け負った熊本県内の14社が、松岡農水相の資金管理団体などに3年間で1300万円の献金をしていたそうです。松岡氏は熊本県阿蘇町(現阿蘇氏)の出身です。

 さて、松岡農水相とこの事業との関わりは、どうやら献金だけではなかったようです。立花氏はこう書いています。

 「松岡前農水相は、この熊本県に落ちる154億円の大事業の落札を全部自分が仕切り、各工区でそれを落札する業者から経営規模によって2~3パーセントの上納金をおさめさせた上に、松岡氏の選挙区そのものである第6工区と第7工区では、自分の息のかかった地元業者に、『鞍岳建設』と『ひのくに建設』という架空の建設会社を作らせ、そこに入札を落としてしまうというとんでもないことまで行っていたのである」

 つまり、大規模林道の154億円という事業のあっせん収賄によって、松岡氏には3~4億円が渡ることになっていたというのです。

 これまで緑資源機構の談合で問題とされていたのは、林道本体の工事に関わることではなく、その前段階の測量や調査の入札にかかわる談合問題です。でも、それよりはるかに巨額の林道本体工事の落札に関わることにまで捜査が及んだのなら、松岡氏は当然逮捕されていたでしょう。そして、東京地検から消えたのが、この熊本の大規模林道本体に関わる資料だったというのです。

 松岡氏が自殺したあと、安部首相は「緑資源機構に関しては、捜査当局から松岡前農水相や関係者の取調べを行っていたという事実もないし、これから取り調べを行うという予定もない」と発言し批判されましたが、東京地検がそんな情報を流すなどということは考えられません。安部首相のこの発言には松岡氏の疑惑を否定し、この問題の幕引きをしたいという姿勢がうかがわれます。そして、松岡氏は、昨年の総裁選で安部首相を強く支援していたといいます。消えた資料、そして松岡氏の逮捕は安部首相にとって都合の悪いものだったのでしょうか? 一体どうしてそれだけが消えたのでしょう?

 総事業費9428億円。1キロメートルつくるのに4億6千万円もかかるという巨大公共事業「大規模林道」は、政・官・業の癒着を生み、まさに不正の温床になっているのです。こんな道路が欲しいのは、利権に絡んだ一部の人たちしかいないのではないでしょうか?

2007年6月20日 (水)

文芸社に騙された!

(はじめて読まれる方は、カテゴリの「共同出版・自費出版」のはじめから読まれると、流れがわかります)

 私は自分の経験したおかしな出版商法を広く知ってもらうために、北海道新聞の取材に応じることにしました。そしてその記事は2002年3月4日の生活面で大きく報道されました。

 その後のことです。月刊誌「創」の2002年8月号に岩本太郎氏の「危うし!自費出版ブームと『文芸社商法』の舞台裏」という記事が掲載されたのです。これを読んで、びっくり。なぜって私が契約した出版社のことですし、そこには上記の北海道新聞の記事が引用されていたのですから。そして、その記事について文芸社の社員がこんなことをいっているのです。

 「こちらの対応が後手後手になってしまったことが先方の不安を募らせてしまったということで反省しています。5000部云々に関しては、担当者が『重版になるような展開になればそれくらいも不可能ではない』という話をしていたのだろうと思うのですが・・・・・・」

 これを読んで思わず、「えっ、なんと勝手な解釈を!」と思ってしまいました。対応が後手後手だから不安になったのではありません。ずさんな編集について説明がなかったではありませんか。質問に対して納得のいく回答をしなかったでしょ!

 さらにその記事には驚くべきことが書かれていました。

 まず、文芸社の年間の発行点数が私の契約した2001年は1617点だというのです。この大半が協力出版だとすると月平均では約140点。私にきた手紙では、あたかも一部の優れた作品だけに協力出版を提案しているかのように書かれていましたが、そうではなさそうです。

 そして、提携書店についてはこんなふうに書いてあります。「文芸社との提携書店には40冊ほどが入る同社専用のコーナーが設けられている。不況の折、書店としてもあまり売れない自費出版物のために棚を確保したくないのが本音ではないかと思うのだが、実はこの棚、文芸社側が毎月5000円~1万円程度の“テナント料”を書店に支払うことで確保しているのだ。しかも約1ヵ月を経て売れ残った分については文芸社が買い取る形をとっているため、書店にも取次にも返本によるリスクは生まれず、流通対策上からも好都合ではある」

 提携書店から棚を有料で借り、売れ残った本を買い取っている?! これなら売れそうにない素人の本だって、書店に置けるはずです。でも、もちろん著者にはそんな説明はありません。「販売の費用は出版社が出資」するのですから、この棚借りや買取の料金は本来なら文芸社が負担するはずですが、もしかしたらこれも実質的には著者が負担?! 毎日新聞の連合広告も一作品あたりのコストは微々たるものだろうとのこと。

 さらに不思議に思ったのは提携書店の数です。私には提携書店の数は500店との説明がありました。500店舗で各店50冊の棚を確保しているとしたら、500×50で25000冊の本しか置けません。1ヵ月140点の本を300店に置くなら、140×300で42000冊分の棚が必要になります。これでは一点あたり178店舗にしか置けないのです! 本当に300書店に置いていたのでしょうか? そして提携書店は本当に500店あったのでしょうか?

 そこで、私はこの「創」という雑誌に、自分の契約から解約までの経緯について投稿したのです。それが掲載されたのが2002年の11月号。その後、2003年の7月号には文芸社元スタッフによる「私が関わった『文芸社』商法の内幕」という記事が掲載されました。送られてきた原稿を読んで所見を書くアルバイトをしていた方の内部告発です。

 それによると、たとえ低レベルの作品であっても言葉巧みに褒めて、これは是非とも世に問う価値があると持ち上げるというのです。私に来た手紙もまさにそのように褒めちぎっていました。著者に送られる手紙には案内文の統一したフォーマットがあるそうです。

 そして、「実際に原稿を読み、評価を下しているのは、社内の出版業界を熟知した審査委員会などではなく、主婦を中心とする社外のアルバイト要員、『所見スタッフ』にほかならないのです」というのです。さらに「初めから組織的に消費者に事実と異なることを告げ、誤認を誘って契約を獲得することをビジネスの手法としているといえるでしょう」と書かれているではありませんか!! (筆者注:この方は著者を消費者としていますが、契約上は消費者ではありません)

 審査委員会に諮られランク付けされたとか、企画候補になったとか、委員には書店長もいるなどという説明が嘘だった、そして組織的に嘘をついているというのです。1ヵ月に140点もの本を出していたなら、契約しなかったものも含めれば相当数の応募があるはずです。これでは委員会に諮ってランクづけなどということはやっていられないでしょうね。こんなことを知っていたら、絶対に契約などしなかったでしょう。こういうのを「騙す」というのではないでしょうか。

 騙して契約させ、しかも出版社の本をつくるにも関わらず、原価ではない制作費を請求する! 騙して錯誤に陥れることを民法では詐欺といいます。そして詐欺による意思表示は無効を主張できるのです。他人を騙して錯誤させ、損害を与えたら刑法の詐欺罪にあたるのでは? この出版商法の場合は問題がないのでしょうか?

 さて、ここからは一般論です。私は共同出版という出版形態自体を否定するつもりはありません。出版社もリスク負担をして販売努力をし、著者を錯誤させるようなことをしなければいいのです。

 しかし、出版社の商品をつくるのに「販売する自費出版」との売り込みと巧みな営業トークで著者を錯誤させ、多額の費用を請求してなんらリスク負担していない出版社が多数あるのです。そして驚くべきことに、こんな出版商法が新聞や雑誌に広告を出して盛んに行われ、万単位もの人が本を出版しているのに、大きな問題とされない、いえいえ正確に言えばマスメディアは問題にしようとしないのです。 (つづく)

*この記事へのコメント 「com070620.doc」をダウンロード  

2007年6月19日 (火)

1キロで4億6千万円!

 大規模林道(緑資源幹線林道)は、全国7地域、17道県に32路線がありその総延長は2052.9キロメートルにも及びます。この道路工事は1973年から行われているのですが、33年間かけて進捗率は62パーセント。このうち5路線が完成していますが、残りの27路線は工事中なのです。

 さて、この道路の事業費がいくらかというと、全体では約9428億円。1キロメートル当りの工事費は約4億6千万円。ということは、1メートル造るのに46万円かかるという計算になります! なんだかお札を敷き詰めた道路のように思いませんか?

 北海道の場合はどうでしょうか。北海道には「滝雄・厚和線」、「平取・えりも線」、「置戸・阿寒線」の3路線があり、それぞれ工事中です。それらの長さと事業費、進捗率は次のような具合です(昨年4月1日現在)。

滝雄・厚和線  65.4キロメートル 約263億円 82.7パーセント

平取・えりも線 72.1キロメートル 約442億円 33.1パーセント

置戸・阿寒線  63.3キロメートル 約233億円 17.4パーセント

1キロメートルあたりの工事費と昨年1年間に延びた距離は

滝雄・厚和線  4億円   0.5キロメートル

平取・えりも線 6.1億円  0.5キロメートル

置戸・阿寒線  3.7億円  1.0キロメートル

 進捗率の高い「滝雄・厚和線」は、トンネルや橋梁などお金のかかる急峻な部分の工事に入っています。「平取・えりも線」も、日高山脈の南部を崩し一部をトンネルにするのですが、もろい地質のため崩壊が激しく、難工事が予想されます。「置戸・阿寒線」のルートも視察しましたが、峰を越す部分では大規模な工事になることが予測されます。そして、昨年は平均すると一年間に1キロメートルも進んでいません。まだまだこれからお金がかかるのです。

 さて、この大規模林道の事業費の約3分の2は、国の補助金です。残りの3分の1は道や県の負担金と賦課金(受益者負担)。そして、完成すると地元の自治体に移管されるので、道路の維持管理は自治体がやらねばなりません。2003年の台風10号でズタズタになった「平取・新冠区間」を移管されていた門別町長は、被災直後に「委託管理を国に返上したい」と言ったそうです。本音が出てしまったんでしょうね、きっと。

 ところで、北海道では今年度の一般会計が実質的に100億円の歳入不足であるとの報道がありました。こんな財政状況なのに大規模林道への負担金や道有林の賦課金について見直しをしないのでしょうか? 北海道は3つの路線で約162億円(総事業費の17.4パーセント)を負担するのです。ちなみに平成17年度までの負担金と賦課金の累計額は64億3700万円。「大規模林道問題北海道ネットワーク」では、高橋はるみ知事に何回も北海道の負担金・賦課金に関わる問題で質問書を提出しているのですが、的確な回答がないのです。

 農水省の第3者委員会は緑資源機構の廃止を前提に検討しているようですが、大規模林道を廃止するとは聞いていません。機構が廃止されても安心できません!

2007年6月18日 (月)

契約は商業出版、実態は自費出版!

(はじめて読まれる方は、カテゴリの「共同出版・自費出版」のはじめから読まれると、流れがわかります)

 これまでに書いてきた協力出版の契約から解約までの経緯は、ふつうだったら思い出したくないような話しでしょう。それなのに、なぜ5年以上も前の話を今頃になって書くのかといえば、このあとさらに新たな事実を知ってしまったからなのです。そして、驚くべきことに、このような出版形態は今でもほとんど変わっていないのです。というより、5年前より巧みになっているような・・・。そして、この商法はインターネット上では話題になっているのに、紙のメディアではほとんど知らされていません!

 出版社とこんなトラブルになったのですから、私は納得のいく出版をするために情報を集めることにしました。いちばん参考になったのは「自費出版Q&A」(東京経済)という本でした。この本には共同出版や協力出版の問題点がいろいろ書いてあったのです。その部分を読んで、あらためてすごい商法があるものだと実感しました。その中でもいちばんおかしいと思ったのは、こうした商法では「著者の負担する出版費用だけで出版社は十分利益が上がるシステムになっている」と書かれていたことです。76万円もの制作費をとりながら、編集作業らしいことをしなかったというのはこういうことだったのかと思い知ったのですが、これでは著者を騙しているも同然ではないでしょうか?

   私は、制作費というのは当然のことながら制作原価として算出されているのだと思って疑いもしませんでした。だって、著者の所有物をつくるのではなく、出版社の所有物をつくるのですよ! あなたの友人が自分のスーツを仕立てるために見積もりをとり、それが10万円だったとしましょう。そしてあなたがその「仕立て代」を払ってあげるといって見積もり金額を尋ねたら、友人は10万円と答えるでしょう。もし20万円だと嘘をいってあなたに請求したら、10万円の水増し請求になります。

 共同出版だって出版社の本をつくる契約なのですから、スーツの例と同じように、その制作費は出版社が実際に支出する金額として算出するべきではないでしょうか? ところが私に請求した制作費は実費ではないというのです。編集費だけではなくて、印刷や製本の費用も(このことはあとで出版社自身が裁判の中で認めました)。これは水増し請求といえるのではないでしょうか?

 こう言うと、必ず「その金額で納得して契約したのだから問題ない」と主張する人がいます。ここで間違えないでいただきたいのは、そのようにいえるのは請負契約や委託契約の場合だということです。著者の所有物となる本の制作請負契約(ふつう自費出版といっていますが)をしたならば、制作費に利益が加算されているのが当然であり、費用が高額であっても「その価格で納得して契約したから問題ない」ことになります。請負契約の場合の費用は「制作費そのもの」ではなく、「利益も入れた報酬」なのです。

 でも共同出版や協力出版の契約は「この金額で著者の本の制作を請け負う」という契約ではありません。あくまでも出版社の商品をつくることを前提に、著者が制作費を支払う条件で出版権を出版社に設定する契約なのです。平たくいうと「商業出版形態で出版社の本を出版する際、著者が協力金として制作費のみを払ってあげる」ということです。出版社の所有物(商品)の制作費は、出版社がその制作のために実際に支出する費用のはずです。スーツの例もこれと同じで、友人の服の仕立て代をあなたが代わりに払ってあげるという契約です。ですからスーツの例と同じように実費の制作費を請求しなければおかしいのではないでしょうか?

 さて、私が出版社と協議をした際、制作費が実費ではないなどという説明はまったくありませんでした。もし実費ではなくても正当だというのなら、私に対し正々堂々とそう説明し、高額な編集費も正当だと主張すればよかったのではないでしょうか? でも、そんなことはおくびにも出しませんでした。ということは、出版社は利益がはいっていることを知られたくなかったし、やましいことだと思っていたのではないでしょうか。

 また、出版社も宣伝や販売の費用を出資するといいます。でも、広告や販売の費用より、制作費に加算した利益のほうが多ければ、出版社負担分は相殺され、出版社はなんら費用を負担しないことになります。

 出版社は本当に出資しているのでしょうか? 業界に詳しい方たちは、そのような出版社はなんら費用負担をしていないといいます。

 すべての出版費用を著者が負担し、さらに会社の維持経費や原稿募集の広告、出版賞などにかかる費用の一部まで著者が払っているとしたら、それは自費出版と変わらないではありませんか。つまり、契約では制作費のみを著者が負担する商業出版でありながら、実態はすべての費用を著者が負担、しかも本の売上金は出版社のもの!

 そうであれば出版社は一冊も売れなくても利益が得られ、本が売れれば売上金も得られるのです。著者は出版費用のすべてを負担し、得られるのはわずかな印税だけ。初版は印税のない出版社もあります。つまり出版社に一方的に有利なシステムだということです。

 これが商業出版と自費出版の中間型? これが協力出版とか共同出版? どう考えたっておかしなことです。共同出版をした人は、こういうことを知っているのでしょうか?

 出版社に一方的に有利な商法を、あたかもふつうの自費出版よりメリットがあるかのように宣伝しているのであれば、騙しているようなものです。そんな商法を経験したのなら、事実を多くの人に知らせるべきだと思うのです。そう、それが鬼蜘蛛おばさんの性格なのです。 (つづく)

2007年6月17日 (日)

支障にならない支障木!

Dscn1257  15日に「えりもの森裁判」の口頭弁論がありました。本論に入って2回目の口頭弁論です。この日は北海道だけではなく大阪などから多数の代理人の弁護士さんがかけつけてくださいました。この日の見ものは支障になっていない支障木や、「地ごしらえ」をしていない場所での「地ごしらえのための伐採」などについて、映像をつかっての意見陳述です。

 「えりもの森裁判」で問題にした道有林では、376本の立木を収穫するという契約でした。ところが実際にはそれをはるかに上回る木が伐採され、皆伐状態になっていたのです。376本の収穫木のほかに、何本くらいの木が伐採されたのでしょうか? 被告(北海道)は「支障木」として56本(当初18本、その後推定による支障木として38本)、それ以外に「地ごしらえ」として327本の立木の伐採をしたと認めています。

 まず、支障木について説明しましょう。木を収穫する場合、まず道職員である「森づくりセンター」の職員が収穫する木を調査して、その木にナンバーテープとカラースプレーをつけます。その印をつけた立木を業者に売りました。

 ところが業者が、収穫木を伐ったり搬出したりする際に収穫木に隣接した木が邪魔になることがあります。また、土場や集材路をつくるときに立木が邪魔になることがあります。このような木を支障木というのです。

 支障木が予想されるときは、業者は事前に「森づくりセンター」に届け出なければなりません。届け出を受けた森づくりセンター所長は、その木が本当に支障になるのかを調査し、支障木等の認定を行うことが義務付けられています。ただし、労働安全上、伐ってしまった場合だけは事後に届け出てもよいことになっています。支障木として認定された木は、業者が買うことになります。

 さて、私たち原告は、支障木として伐採された切り株の周囲をよく調べてみました。すると近くに伐採対象木がないものがあるのです。あるいは、木を倒した方角から推定すると、どう考えても伐採や搬出の支障になっていないと思われるのに支障木とされている切り株があります。しかもそれらの支障木には大径木や値段の高い広葉樹なども含まれています。

 支障になっていないのに「支障木」なんて、おかしいですよね。そこで、今回の裁判では、支障木と立木の位置図を作成して「支障になっていない支障木」の説明をしました。  「地ごしらえ」というのは、植林をする準備として不用木、散乱した枝葉、ササなどを除去して畝状に寄せる作業で、立木を伐採する作業ではありません。ところが、その「地ごしらえ」で327本もの木を伐ったというのです。

 不思議なのは、植林の邪魔にならないような木も多数伐採され、皆伐になっていることです。また、ササ刈りも植林もしていない場所、植栽などできないような水辺などにも印のついていない切り株があるのですが、これらも「地ごしらえ」によって伐採したというのです。

 今回は、このような理解に苦しむ「支障木」や「地ごしらえ」について被告に釈明を求めました。さて、どのような釈明があるでしょうか。

2007年6月14日 (木)

出版契約の解約成功!

 前回の記事の続きです。

 それにしても、出版社からの回答は納得できません。制作費の明細は印刷所との取引価格だから出せないといいますが、あの見積もりはそもそも契約するかどうか決まっていない段階のものです。本当に印刷会社から見積もりをとっていたのでしょうか? それに編集費はどうなのでしょう? これは編集者を雇っている出版社自身が算出したはずです。1円単位の端数までついている編集費はどうやって計算したのでしょう?

 書店リストだって、とりあえず現時点での提携書店リストを出したってよさそうです。

 協力出版の販売目標が5000部? でも、現実は5000部売れるのはごくわずかのようです。現実と乖離した目標ではありませんか! 「5000部がクリアできなければ担当者の責任」とまで言っておきながら、ずいぶんいい加減です。それに1回の小さな連合広告と300書店への1ヶ月の陳列程度で、どうやって5000部を販売するのでしょうか? 再配本はフェアのときくらいしかチャンスがないようです。

 100部は取次・書店の見本、新聞社などに送付するというのですが、提携書店方式だと取次は通さないんじゃないの? それにこの出版社の本が新聞の書評で取り上げられているのを見たことがありません。

 さて、出版社はあくまでもこのまま出版を進めるようです。そこで、なんとか解約できないか探るために弁護士に相談することにしました。ところが、弁護士というのはなかなかすぐに対応できないものなのですね。地元の弁護士事務所に電話すると、面識がない人はすぐには対応できないとのこと。そんな悠長なことはいっていられないので伝手を頼りに札幌まで行くことにしました。1泊2日で! 

 弁護士も契約書を見て、かなり悩んでいました。この本の所有権はどこにあるのかって。そして「出版権を出版社に設定するのだから、出版社だろうな・・・」と。でも解約は難しそうで粘り強く交渉するしかないようです。

 札幌からの帰りに時間があったので、書店に寄ってこの出版社の本を探してみました。棚をはじから見てもいっても見つかりません。ところが、ある棚のところでこの出版社のコーナーを発見したのです。どうやらこの書店は偶然にも「提携書店」だったようです。そこにあった本を見てびっくりしました。

 このコーナーにある本はすべて初版1刷で、発行日も同じようです。担当者は「増刷される書籍は多数ある」といいますが、本当でしょうか? ある薄手の本はまるで児童書のような大きな活字にして、ページ数をむりやり増やしているかのようです。またある厚い本は、小さな活字で2段組にして読みにくい体裁です。印刷会社もさまざま。表紙のデザインもなんだか安っぽく感じられるものが多いようです。パラパラとめくってみましたが、正直いって「本当に買う人がいるのか・・・」というような本ばかり(著者の方には失礼!)。これがみんな5000部販売目標の本として協力出版枠に選定した本だというのなら、絶句です。ガーン!

 さて、10日にきた回答に対して、疑問を突きつけなければなりません。16日からメール協議を再開しました。編集者と契約担当者の両者との協議をしていくのはなかなか大変ですが、このままではひどい手抜きの本になってしまいます。それだけは避けようと、二人の担当者にさまざまな疑問を投げかけました。

 そして、16日には初校ゲラ刷りが届きました。そのゲラ刷りは、予想通り編集作業がほとんどなされておらず、送った原稿をほぼそのまま入力したものでした。事前に編集の問題を指摘しておいたのに、そのまま組版に出したのです。編集者はメールで「時間をかけて拝見させていただき原稿整理をさせていただいておりました」と書いていましたが、とうていそうは思えず、あきれるというほかありません。私は編集費の大半の返金あるいは編集のやり直しを求めました。

 しかも、ゲラ刷りのページ数は1ページあたりの字数を予定より減らしているのに、予定の278ページより少ない258ページです。ページ数の見積もりもかなりいい加減だったわけです。

 さて、私の相次ぐ質問や要求に対し、理解を得られる対応ができなくなったのか、12月22日に契約担当者から最後の回答とともに、全額返金での契約の解除の用意もあるとのメールがありました。これ以上この出版社と関るのはゴメンです。出版社からの提案に応じて解約することにしました。結局、76万352円という編集費の見積もり根拠はわからずじまい・・・。そして説明によると、協力出版作品で5000部を達成できるのは平均で1割弱だとのこと。本当なんでしょうか?

 最後にこれ以上のトラブルを避けるために、解約にあたって弁護士に「合意解約書」を作成してもらいました。それを2部作成して私の方から出版社に送り、契約したときとは逆のやり方で一部を返送してもらいました。正月を前に解約でき、やれやれと安堵したものです。

 でもね、考えてみてください。もし見積もりの内訳をもらっていなかったら、そして協議を記録の残るメールでやっていなかったら、たぶん解約などできなかったでしょう。つまり、途中でおかしいと思ってもほとんどの人が解約できないということではありませんか!

 これで契約から解約までの経緯のお話しは終わりです。ところが、これでこの問題と完全に縁が切れるということにはならなかったのです。以降は、その後のことについて書いていきます。

自衛隊の市民監視は必要?!

 先日、陸上自衛隊がイラク派遣に反対した市民団体などの発言内容などを記録していたことが明らかにされました。このニュースを聞いてぞっとした人も多かったのではないでしょうか。

 全国約300の市民団体が調査されていたとのことですが、北海道の北部方面隊が全国で最初にイラクに派遣されたためか、北海道の市民団体は63団体が監視されていたとのことです。

 国の方針に反対する人たちを国家が監視する! こんな社会はとうてい民主主義国家とはいえないでしょう。なぜ、なんのためにそこまで市民を監視するのか! 複数の市民運動に参加している鬼蜘蛛おばさんは、この報道を知ってふつふつと怒りがこみ上げてきました。

 こうして、自分の意見をネット上で書いている人などは、いとも簡単に監視の対象になってしまうのでしょうね。いったい日本という国はこれからどうなっていくのでしょうか。  さて、北海道のネットによるニュースサイトであるBNNが、この問題でアンケートをしているという情報がありました。

 「自衛隊が『市民活動を監視』、あなたの意見は」  さっそく覗いてみて、びっくり仰天!  先ほど12時35分現在で、「情報収集は必要」との回答が何と64.7パーセント! 「監視活動は中止すべき」の33.7パーセントを大きく上回っているではありませんか。なんだか動員をかけているのではないかと思えてきてしまいます。そうでなければ、この国はかなり末期的・・・。

2007年6月13日 (水)

アオダモが一斉開花

 今年はアオダモの花が一斉に咲いているということは聞いていたのですが、鬼蜘蛛おばさんの住んでいるところでも今アオダモが見事に開花しています。

 サクラなどは毎年コンスタントに開花しますが、アオダモはなぜか毎年開花せず、数年に一度開花するのです。その間隔はだいたい5年に1回。でも開花したときは遠目にも木全体が白っぽくなるほどたくさんの花をつけます。

 一度にたくさん花をつけることによって、何かいいことでもあるのでしょうか?  アオダモが開花すると、花が目立つのでどのような分布をしているのかよくわかるのですが、山の斜面などに点々と分布しています。アオダモの種子には翼がついているのでヒラヒラと落下するのだと思うのですが、これだと種子は親木からそれほど遠い場所には行けません。綿毛のあるヤナギの種子のように、何キロも飛んでいくことができないのです。

 また、虫が花粉を運ぶ虫媒花です。アオダモは雄の株と雌の株がありますから、虫に見つけてもらうためにも目立つ花をつけるのですね。点々と分布していても、一斉に開花することで、虫たちに花粉を運んでもらえます。

 特にマルハナバチなどは、同じ種類の花に集中して訪れるので、受粉の効率がよいのです。アオダモの場合は5年に一度くらいしか花をつけませんが、一度にたくさんの花を咲かせ効率よく実をつけるために、次の開花まで少しずつエネルギーを蓄えているのでしょうか・・・。

 アオダモといえば野球のバットを作る木として知られており、植樹運動などを行っているところもありますが、やはりこの木は森の中に点々とあるのがいいのではないでしょうか。エゾヤマザクラやキタコブシ、シナノキなども、山肌にぽつりぽつりと咲いているからこそ風情があると思うのです。

2007年6月12日 (火)

出版社との協議は疑問の連続

 前回の記事の続きです。

 さて、76万円の編集費を請求しながら、編集者は「ほとんど手を加えなくてもいい」などと平然とのたまうのですから、どうやらとんでもない出版社と契約してしまったようです。しかし、まだ組版には入っていませんから、解約交渉をするなら今のうちです。そこで、対策を考えました。

 まず、電話でのやりとりを断わり、電子メールでの協議を要請しました。電話でのやりとりは記録が残らず「言った、言わない論争」になる可能性があります。こういうときは、やりとりの証拠を残さなくてはなりません。証拠を残すために文書でやりとりするというのは、日ごろの自然保護活動で身についていたのです。そこで、契約担当者と編集者の二人を相手にメールでの協議を開始しました。

 ここで頑張れば、出版社から解約を申し出るのではないかと期待を抱いたのです。だって、多額の編集費を請求しながらろくに編集作業をせずにトラブルになったのなら、著者の責任ではなく出版社の責任です。出版社はまだほとんどお金をかけていないのですから、今のうちに解約を申し出てこれ以上のトラブルを避けるというのが利口なやり方でしょう。

 まず11月28日に次の点について契約担当者に質問しました。急がせて契約をせまった理由。実態に見合わない高額な編集費についての釈明。今後の編集の具体的スケジュール。

 ところがすぐに回答がありません。そんなに時間がかかることでしょうか? 疑われたくなかったらすぐにでも理由を説明してもよさそうです。そこで30日に以下の質問をしました。

1 見積内訳表の詳細な内訳の送付(「本来内訳はより細かくなる」と書かれていた)。

2 編集者との電話内容の確認。

3 出版までの具体的スケジュール。

4 TRC(図書館流通センター)書評の送付(予定表では編集責任者の選定前に書評の作成をすることになっていた)。

 12月3日に編集者からスケジュールの連絡がありました。12月10日頃初校出、1週間ほどで校正してほしい。初校戻しの頃にカバーデザインについて相談。12月28日頃再校出、1月11日頃までに戻してほしい。1月中旬に印刷、2月上旬に本ができ、3月に書店に並ぶとのことです。

 このスケジュールにびっくり仰天しました。年末年始という忙しい時期に短期間で初校と再校をしろというわけです。年末までに何とか再校を出さなければ契約期限までに本ができないということなのでしょう。まだ内容的に検討しなければならないことがいろいろあるうえに、本のタイトルも決まっていません。カバーデザインについても、著者からの提案も考慮すると契約時に確認したのですが、2通りの見本から選べということのようです。

 とにかく、編集者は私の疑問を解消することなく作業を進める様子です。どうやら考えていたより強気です。そうである以上、私としても対応していかねばなりません。そこで抗議するとともに少しでも納得のいく本になるよう、さまざまな要求をすることにしました。なんていったって76万もの編集費を払っているのですから!

 12月5日には、編集者の上司が北海道新聞の記事に関して電話で説明したいとのメールがありましたが、電話での説明は断わり、メールでの説明を求めました。上司のメールによると、新聞報道にあったような悪質なことは一切やっていないとのこと。さらに、特約店について次のような説明がありました。

 「当社では出来上がった本を書店に置いてもらうために、独自のルートを確立しております。『取次店を通して全国の書店へ配布する』といったこれまでの出版界の常識(この制度ですと、取次店という仲介業者が出版社と書店との架け橋をし、どこの書店にどの本を何冊置くといったことが、すべて取次店の判断のみでなされます。ですので、その制度のみに頼っていると、当社のように著名ではない方々の本は、あまり書店に置いてもらえません)を覆す、『特約店制度』を導入しております」とのこと。そして、特約店制度とは、取り次ぎ店を通さず出版社から直に書店へ本を送り置いてもらうシステムであり、全国500店舗の特約店のうち300書店に本を置けるとのことでした。

 契約担当者からきた手紙には「書籍を『取次』に収めるばかりではなく・・・」とか、「取次及び広告用の見本分100部・・・」などと書かれていましたが、取次は通さないということでしょうか? ムムッ! なんだか話が違います。

 ところで、契約担当者に質問を突きつけていたのに、編集者からの返事しかありません。疑問が募るばかりなので、契約担当者にさらに追加の質問をしました。 5 毎日新聞に掲載する連合広告の見本の送付。 6 300の提携書店リストの送付。 7 過去1、2年間に開催されたブックフェアや独自のフェアの詳細。 8 5000部くらい売った本の点数と協力出版全体に対しての割合。 9 書店陳列が1ヶ月であることの理由と返本された本の扱い。 10 納本・贈呈・批評・宣伝・業務などに使用される100部について、具体的な説明。 11 TRC書評の見本。

 12月7日に、契約担当者からようやくこんなメールがありました。「10日にまとめてお答えいたします」 なんでまとめて答えなければならないの? なんで回答日の予告をするの? こっちは少しでも早く回答が欲しいのに、まったくおかしな会社です!

 さて、10日の夜にようやく回答のメールがありました。それまでに回答済みのものや別途ファックスが来たものなどを除くと以下のような内容です(番号は質問に対応)。

1 これ以上細かい制作費明細は出せない。理由は印刷所との取引価格が漏れてしまうと、会社の倫理が疑われる。

6 書店リストは刊行約半月前に送付するが、今は提示できない。理由は新規契約する書店や解約する書店が出てくるから。

8 協力出版で刊行する書籍の目標をまず5000部に設定する。今日の出版業界で5000部をクリアする書籍は少ないのが現状だが、アマチュアの本でも5000部以上売った実績があるし、5000部いかなくても増刷される書籍は多数ある。

9 有名な著者の書籍でも売れなければ1週間で返本される。返本された本は倉庫で保管。3年間は弊社に販売の権利があるので、契約期間中は保管する。フェアで再配本することもある。

10 取次・書店への見本。各種マスメディア(主に新聞社)へ送付。

 なんとも理解しがたい内容の回答に愕然としならが、この日は寝ることにしました。さて、翌朝メールのチェックをすると、昨日の回答のあとに添付ファイルつきのおかしなメールが来ています。本文は意味不明の英語。タイトルも意味不明。どうやらコンピューターウイルスのようです。当方のメールアドレスは親しい人しか知らないはずですし、知人からのメールではありません。不思議なこともあるものです。もっとも適当にアドレスをつくって無作為にウイルスを送りつけるということもあるのでしょうけれど・・・。 うっかり添付ファイルを開いていたら昨夜の回答のメールはどうなっていたやら。 (つづく)

2007年6月 8日 (金)

神秘に満ちたキタグニオニグモ

 北海道の山地には、キタグニオニグモといういかにも北国にふさわしい名前のクモがいます。それがまた美しいクモなのです! 写真はあいにくあまり綺麗に撮れていないのですが・・・。

Kitagunionigumo  クモが美しいなんていうと、変な顔をする人もいるかもしれませんが、お腹が緑色をしていて黒い斑紋があります。 えっ? クモがどこにいるかわからないって? サルオガゼの中に隠れていますよ! 真ん中で、頭を下にして(クモはふつう頭を下にして止まるのです)。

 このキタグニオニグモは、日本しか分布が知られていません。本州の亜高山帯にもいますが、本州ではかなり珍しいのです。北海道でも針葉樹林帯に生息していますが、数は多くありません。見たいと思ってもなかなか見れないクモです。

 もう25年以上前のことですが、ある原生林に動物の調査に行ったことがあります。朝、テントから出て周りを見回すと、エゾマツの枝に朝露にぬれた円い網がかかっていました。その真ん中には緑色のキタグニオニグモが・・・。 そして、霧の中を原生林に足を踏み入れると、そこここの枝先にキタグニオニグモの網がかかっているではありませんか! エメラルドグリーンのもいれば、少し濃い緑色のもいます。エゾマツの巨木の枝先に佇む小さな緑のクモは、何と神秘的なことでしょう。人の立ち入ることのない原始の森で、キタグニオニグモたちはこんな風にひっそりと生きていたのです。

 あとにも先にも、こんなにたくさんのキタグニオニグモを見たことはありません。そう、キタグニオニグモは針葉樹の原生林のクモだったのです。おそらくしばしば霧に覆われサルオガゼが枝に絡みつくような湿度の高い針葉樹林が、このクモの生まれ故郷なのでしょう。サルオガセの中に隠れると姿をくらますことができるのです。

 数年前のある晩秋のことです。知人が森に落ちていたサルオガセを拾い、持ち帰ろうと車の中に入れました。やがて、車内が暖まると、サルオガセ中から緑色のクモがもぞもぞと出てきたのです。同乗していた女性は「ひゃー! クモ!」と驚いたそうですが、クモの好きな知人はそのクモをもってきてくれました。エメラルドグリーンの美しいキタグニオニグモでした。

 エゾマツやトドマツなどの針葉樹林帯は、大雪山国立公園のあたりではふつう標高700メートルから1000メートルくらいのところに広がっていますが、今は大半のところで伐採が進み、原生状態を保っているところはほとんどありません。針葉樹林は針広混交林(針葉樹と広葉樹の入り混じる森林)よりはるかに生物相が単純になるのですが、そんな森だけに棲んでいる動物もいるのです。キタグニオニグモもそんな数少ないクモのひとつです。

 北海道が原生林で覆われていたころ、針葉樹林にはこのクモがあちこちに網を張っていたことでしょう。でも、伐採が進み、林内が乾燥化していくにしたがい、姿を消していったのではないでしょうか。

 いつの日か、キタグニオニグモがあちらにもこちらにも網を張るような原生林を取り戻すことが、原始の森を壊してきた私たち人間の責務であるように思うのです。

2007年6月 7日 (木)

環境省が最悪!? 自然保護団体への対応

 自然保護団体は、自然破壊型の公共事業を行っている行政機関や、自然に悪影響を与える行為をしている企業などに対して、しばしば質問書や要望書を送付します。

 そのような質問書に対する対応というのは、実にさまざまです。質問書を送付したり、電話で問い合わせをしただけで、大慌てで説明にくるところもあります。自然保護団体に問題にされてマスコミで報道されたら大変!と考えているのでしょう。このようなところは対応においては誠意があるといえます。

 また、回答はきちんとするけれど、その内容は意味不明、あるいは回答になっていないというようなところもあります。これは困ったものですが、回答しないよりはいいですね。

 一番ひどいのは、回答せず、催促しても無しのつぶてというところ。中には、「出向いてきたなら対応してもいい」なんてところもあります。この代表格は、行政機関ではなんと環境省なんです。それから北海道の林道でラリーを主催していた毎日新聞社。「環境の毎日」といわれるマスメディアですよ!

 北海道の十勝自然保護協会が、同会の質問に対する行政機関や企業の対応をまとめたのが、「質問への回答成績表」 なんだかおかしいですね。

2007年6月 6日 (水)

崩れる!壊れる!大規模林道

Daikibo20houkai  緑資源機構の官製談合事件では、同機構理事の高木宗男氏ら6人が逮捕されたあと、松岡農水相の自殺、さらに旧森林開発公団理事も自殺する事態となり、政・官・業の深い癒着の構造が浮かび上がってきました。

 ところで、政府の規制改革会議では、緑資源幹線林道は現在着工している路線の工事が終了した時点で事業を廃止する方針であると伝えられています。今工事中のところはまだ工事を続けるというのなら、この道路の抱える問題が理解できていないとしかいいようがありません。なぜなら、この道路は存在するだけで自然破壊と税金の無駄遣いを続けるからです!

 北海道で建設が進められている3路線の大規模林道(緑資源幹線林道)は、いずれも地盤のもろいところに建設されています。このために大雨などが降ると、工事中のところはもちろん、完成したところもあちこちで土砂崩れが発生するのです。

 2003年の8月に、日高地方の厚別川流域を台風10号が襲いました。この川の上流部には大規模林道「平取・えりも線」の「平取・新冠区間」がすでに完成していたのですが、この台風によってこの区間はズタズタになってしまいました。

 その惨状といったら、それはそれは大変なものでした。全区間6.9キロメートルのうち、法面が崩壊したり路面が倒木や土砂で埋まったところが何と67ヶ所、長さにして3.6キロメートルにも及び、全区間の半分以上が被害を受けたのです。写真を見てください。こんな具合です。土砂に覆われて路面が全く見えないところもあります。流木が山のように積み重なったところも・・・。

 確かに、このときは未曾有といわれる集中豪雨でした。でも、この崩壊の原因を台風のせいだけにして「特殊なケース」だとするのは間違いです。なぜなら、大規模林道ではこれまでもあちこちで大雨による崩壊が生じているからです。昨年は「滝雄・厚和線」の「丸瀬布・留辺蕊区間」を通る機会があったのですが、ここでも路肩が崩落して壊れているところがありました。

 なぜこのような崩壊が生じるかといえば、もろい地質の地滑り地帯に無理やり建設しているからです。なにしろ幅が7メートルもある道路を建設するのですから、山の斜面を大きく切り崩して広大な法面を作らなくてはなりません。むき出しになった斜面は、緑化したりコンクリート枠をはめ込んだりしても、大雨が降るとあちこちで崩落します。沢の部分に設置された通水管はすぐに目詰まりを起こし、あふれて路面を流れた水は、法面下部も侵食して道路が崩壊するのです。

 つまり、道路をつくったことで土砂崩れが起こり、災害を誘発しているのです。天災ではなく人災です! 大規模林道は「災害時の代替道路になる」といわれていたのですが、これではまるで反対ではありませんか。こんな地盤のところに道路を造ること自体が間違っています。しかも、通る車はまばら・・・。一日に何台が通るのか?と首をかしげてしまいます。路面にはヒグマの足跡もありましたが、クマだって怒っているのではないでしょうか。

 さて、大規模林道は完成すると、その管理は地元の市町村に移管されます。つまり、日常的ながけ崩れなどは市町村が負担して直さなくてはなりません。こんな厄介な道路を欲しがる自治体がいるのでしょうか? ただし、この「平取・新冠線」は災害復旧ということで地元の市町村の負担にはならず、国民の税金で修復されました。27億円を超える事業費をかけて建設し、災害復旧費は数億円。それを国民が払っているのですよ!

 多額の税金をつかって山の中に必要性があるとは思えない道路をつくり、災害を招いている。そしてその災害の復旧のために多額の税金をつぎこんでいる。これが大規模林道の姿なのです。緑資源機構はただちに解散し、このような道路建設は即刻中止すべきです。

2007年6月 5日 (火)

出版社と対決へ

(「共同出版って商業出版?自費出版?」の続きです)

 契約前にちょっと不審に思ったことがあります。契約は急ぐつもりはありませんでした。とにかくその年は旅行などが重なって、とてもあわただしくしていたのです。思ったより高額なこともあり、担当者には時間をかけて検討したいと伝えていました。ところが、旅行中にこんなメールがきたのです。

 「松田様の作品は8月の協力出版枠に選定された作品でございますので、8月中には出版契約を締結したいのです。しかしながら、松田様にも諸事情がある事と思いますので、今回は仮契約を締結したいと考えております。その後、9月に本契約を締結したいと考えております。なぜ急ぐのかと申しますと、毎月の刊行点数を確保しなければならないからです。また、書店と提携して作品を選定しておりますので(審査員の中には書店長も含まれております)、弊社が勝手に刊行作品や刊行点数を変更することができないのです。ご理解いただけますでしょうか。仮契約を締結することにより、取次・書店に対して本作品は出版する旨を示すことができ、刊行の際に優先的に陳列されるメリットがございます」そして、手付金として10万円を送金するように書かれていたのです。辞退する場合は、手付金を返金するとのことです。

 でも、留守中ですから対応などできません。9月初旬に帰ってから電話をすると、遅れても何とかなるとのことでしたので契約書を送ってもらうことにしました。でも、あとから考えるなら、契約に期限があるというのはちょっと不思議なことです。それに販売されるのは6ヶ月も先のことなのですから、そんな前から優先的に陳列されるなどということが決まるのでしょうか?

 ともあれ、契約を急がされることになってしまいました。でも、もちろん契約書にはひととおり目を通しました。手紙に書かれていたように、販売を前提として出版社の刊行物をつくる契約です。ひとつだけ「おやっ?」と思ったことがありました。それは費用の分担についてです。手紙には著者が制作費、出版社が広告・販売の費用を負担すると書かれていたのに、契約書では「本著作物の初版発行にあたりその制作・販売・宣伝に要する費用は甲乙双方の分担とする。甲は乙に次項の通りの条件で協力金を負担する」となっています。どうして契約書には「著者の負担が制作費」だと具体的に書いていないのでしょうか? それに、見積もりの内訳はどうなっているのでしょうか? そこで、私は契約書を送る前に、見積もりの内訳が知りたいと電話をしました。

 電話をして2時間ほどたってから、ファックスで制作費の内訳表が送られてきました。組版・用紙・製版・印刷・PP・製本・デザイン・編集費として、それぞれ1円単位の細かい金額が示されていました。せいぜい千円単位の見積もりが来ると思っていたので、1円単位の見積もりに驚きましたが、細かく計算しているのだと思いました。何しろ、欄外には「本来、内訳はより細かくなるのですが、かなりの専門分野になりますので、おおまかな内訳をご用意致しました」と書かれていたのですから。もちろんそれを信用しましたとも。それで9月6日に契約書を送ったのです。費用も全額を振り込みました。

 さて、そのころ私はある原稿書きを依頼されていて、非常に忙しくしていたのです。それで、本のことは頭の片隅で気にはなっていたものの、そのままにしていました。するとだいぶたってから編集者から11月末をめどに編集を行うとの電話があったのです。10月に入った頃だったでしょうか。それで、「これからようやく編集にとりかかるんだな」と思ったわけです。

 その後も編集者からは何の連絡もありませんが、時間をかけて編集作業をしているとばかり思っていました。すると11月18日付けの北海道新聞に自費出版のことについての記事が掲載されました。その記事には、共同出版という方式で書店に並ばないどころか、印刷したかも定かではなく、結果的に割高な料金で印刷させられてしまうケースなどがあるというようなことが書かれているではありませんか。私の契約は協力出版ですが、似たような出版形態ですから何とも気になります。そこで担当者にメールで問い合わせをしました。すると、こんな回答がありました。

 「弊社では、配本リスト(書籍が陳列されている書店リスト)を必ず著者へ送付しております。また、印刷証明(印刷部数を印刷所が証明する書類)を発行することもできます」そして、このとき書店への配本期間がたったの1ヶ月であることをはじめて知ったのです。なぜ契約前にそれを説明しないのか!

 とりあえず印刷については出版社の説明を信用するしかありません。でも、この後にどうしても信用できなくなることが起きたのです。

 11月28日のことです。編集者から電話がありました。作品を並べる順序についての相談です。そして初校が12月10日頃になるというのです。原稿は完成度が高いので、ほとんど手を入れなくても良いというではありませんか。驚いた私は、ワープロにない漢字があり、手書きにしていた部分について尋ねてみましたが、編集者はそのことがさっぱり分からないようです。「この編集者はきちんと読んでいないのではないか・・・」そんな疑念が頭をよぎりました。その後で、フロッピーディスクを送ってほしいと再度電話がありました。ここで私は完全に「おかしい!」と思ったのです。だって、編集費の見積もりは約76万円ですよ! それなのに、編集作業らしいことをしているとは思えない状態で、すぐに組版に入るというのですから。

 送った原稿というのは、私と娘がワープロ入力したものです。大正生まれの父の文章は、漢字がやたらと多くて読みにくいうえ、表記の統一もなされていません。難しい漢字にルビもふってありません。大半は「である調」ですが、「ですます調」の作品も一編だけ入っています。そういう原稿をそのままワープロ入力しただけですから、プロの編集者が2ヶ月ほどかけて丁寧に編集し、きっちりと校正もしたなら76万円という編集費も理解できます。それなのに、こちらのフロッピーをそのまま使って印刷するらしいのです! 76万352円(税別)という編集費はいったいどうやって計算されたのでしょうか? そして実際には何に使われるのでしょうか? 出版社は宣伝や販売の費用を本当に負担するのでしょうか?

 ここに至って、さすがにそれまでの信頼感は完全に吹き飛びました。体から力が抜け、愕然とするやら、腹立たしいやら・・・。そして契約書に「乙(出版社)の責に帰せられない事情により、甲(著作権者)がこの契約を解除する場合は、甲は、乙に対して第5条の協力負担金全額を支払うことが必要になる」と書いてあったことの意味を理解したのです。つまり、著者側の事情で解約する場合はお金を返さないということです。

 なんてこった!! こうなったら出版社と対決するしかありません! (つづく)

2007年6月 2日 (土)

エゾエンゴサクの葉の形

 先日は、エゾエンゴサクの花色の変異について書きましたが、エゾエンゴサクは葉の形もとても変異が大きいのです。

Dscn1908  上の写真と下の写真を比べてみてください。葉の形がまるで違います。下写真の葉はとても細くて「ホソバエンゴサク」と呼びたくなるほどです。ほかにも、小葉に切れ込みが入っているものもあります。なんだか葉っぱだけ見たら別種みたいですよね。同じ場所にいろいろな形の葉のエゾエンゴサクが混じって生えています。こんなふうに葉の形に大きな変異がある植物も少ないのではないでしょうか。

Dscn1904  カタクリやエゾエンゴサクなどの「春植物」は、広葉樹が葉を広げて林床に木陰をつくるまでの短い間に花をつけて繁殖します。そして夏には地上部は枯れてしまうのです。葉の寿命が短いのなら、光合成をする葉はなるべく面積が広いほうがよさそうなものです。ところが、円い葉だけではなく細い葉の個体もけっこうあるところを見ると、葉の面積が広い方がいいというわけではなさそうです。

 生物の形態にはふつう意味があるものです。そして、不利な形態は存続することが難しくなります。エゾエンゴサクの葉にいろいろな形があり、それらが共存しているということは、特定の形だけが有利だということではないのかもしれません。でも、なぜいろいろな形があるのか、というと???です。

 なんだかエゾエンゴサクというのは謎が多い植物です。

2007年6月 1日 (金)

共同出版って商業出版?それとも自費出版?

 「共同出版」とか「協力出版」という出版形態をご存知でしょうか? 新聞や雑誌で本にする原稿を募集している出版社がありますが、そのような出版社は共同出版とか協力出版などという出版形態を勧めているところが多いようです。そして共同出版を「商業出版と自費出版の中間型」とか、「自費出版と違うのは全国の書店で販売するところ」などと説明しているようです。もっとも最近では批判されたせいか、「共同出版」「協力出版」という呼び方をしなくなった会社もあるようですが。

 実は、5年以上前のことになるのですが、鬼蜘蛛おばさんも「協力出版」の契約を交わしたことがあります。途中でトラブルになり、最終的には全額返金で解約したのですが、それ以来この出版形態に大きな疑問をもちつづけています。

 鬼蜘蛛おばさんの場合は、自分の書いた本ではありません。自分の本を出版したいなどと考えたこともなかったのですが、父の遺稿集(随筆と詩)を出そうということになったのです。たまたま新聞に大きな原稿募集の広告が出ていたので原稿を送ってみたのが事のはじまりです。

 はじめは普通の自費出版を考えていました。でも、いくつかの原稿を読んでいくうちに「できれば多くの人に読んでもらいたい」と思うようになったのです。自費出版ではちょっともったいないかな・・・と。その時にも共同出版というのがあることは雑誌の広告で知っていました。「ある程度のレベルなら、著者が多少の費用を負担することで商業出版と同じ形で出版する」というのがその時の認識でした。

 さて、原稿を送ってしばらくしてから、感想とともに協力出版を勧める手紙が届きました。手紙のはじめには、個々の作品の高い評価が並んでいます。もっとも作品のタイトルを間違えていて、「ちゃんと読んだのかしら?」なんて思ってしまう部分もありましたけど。そして、「自費出版レベルにとどめるには惜しい作品であることは一致した意見となり、本作品を全国流通に載せる『協力出版』枠へ推奨することときましましたので、まずはご報告申し上げます」とあります。

 その手紙には、協力出版についてこんなふうに説明してありました。

 「『アマチュアの方のなかから優れた作品を世に送り出し、文化を発信する』ことを社是とする弊社は、制作費を著者の方にご負担いただき、広告・販売にかかわる費用を弊社が出資することで、全国展開可能な書籍を刊行するという出版形態を強く推奨しています。これが弊社独自の「協力出版」というシステムです」

 さらに、「弊社の編集・デザインの技術を存分に駆使して上質の書籍として仕上げ、その真価をぜひ広く全国に問うていただきたく思っております」とあります。そして販売については「『協力出版』の最大のメリットは、書籍を『取次ぎ』に収めるばかりではなく、全国300に上る提携書店に御著を配本し、陳列することにあります」というのです。印税は初版1刷で2%、2刷以降は実売部数の6%、3刷以降は8%とのことです。また、「“取次ぎに収めるだけ”“新刊配本だけ”で終わり販売支援がない-などの方式とは、『協力出版』がまったく異なり、数々の販売支援を行っていること、今後もさらに充実させていく方針であることをご理解いただけるものと思います」などと書かれていました。

 さて、これを読んで理解できたのは以下のことでした。

1 著者は制作費を負担(制作費の一部だと思っていたのでがっかり)

2 出版のプロが上質の本をつくる

3 取次ぎに収めるとともに、全国300の提携書店に配本する

4 印税がある(1刷で2%とは安い!)

 つまり、著者が制作費を負担し、それ以外の広告や販売の費用は出版社が負担するという条件での商業出版だと理解したのです。この説明を読んだら、誰だってそう思うのではないでしょうか? 著者が必要な部数の本をつくってもらって著者に全部渡す、いわゆる制作請負契約を交わす自費出版とは異なります。

 名前の知られていない素人ですから、出版費用のすべてが回収できるほど売れるとは思えません。ですから商業出版形態で出すためには著作権者が費用を負担するのも仕方ありません。でも、出版社も広告や販売の費用を出資するというのですから、本を売ってそれらの費用を回収しなければならないはずです。だから、ある程度売れると思われる作品を選んで「協力出版」を提案しなければなりません。ほとんど売れないような本にまで協力出版を提案していたのであれば、出版社は赤字になってしまいます。

 そこで、協力出版の場合の見積もりと、自費出版の場合の部数別の見積もりを依頼したのですが、送られてきた見積もりはなぜか協力出版のものだけでした。四六版、278ページ、1000部で並製は228万7650円、上製は241万6800円という高額の見積もりに躊躇していると、担当者からこんなメールがきたのです。

 「審査委員会での評価は、面白度A・完成度Aでした(企画候補に選ばれたので、当然といえば当然です)。 -中略- 審査委員の中には書店長もおり、その委員が一番絶賛しておりました。出版する事に決まりましたら、まずは5000部(3刷)を目標にすすめていきたいと思っております。逆に、5000をクリアできなければ担当者の責任となります」

 こんなふうに具体的に説明されたら、誰もが「そこそこ売れるのでは・・・」と思ってしまうのではないでしょうか。そんなわけでしばらく悩んだあげく、契約することにしたのです。

 ところがところが・・・ (このつづきはまた後日)

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